【姿勢制御】すくみ足と視覚・聴覚刺激
歩行時のすくみ足は、転倒の危険につながる現象です。
方向転換で一歩が小さくなる
椅子に近づくと動きが止まる
これらの現象は、臨床場面でも遭遇することがあります。
また、これらの現象に外部刺激(視覚・聴覚)が有効であることを多く経験します。
・リズム音にあわせて歩く(聴覚)
少しの工夫で、歩行に変化が生まれ、転倒の危険が軽減できることは患者さんにとって有益です。
私達セラピストは、外部刺激がなぜ有効なのかを知っておくことが大切です。
まずは、すくみ足の運動制御について確認していきます。
すくみ足と運動制御
・運動麻痺は軽度だけれど、すくみ足がみられる
臨床場面では、すくみ足の症状と感覚・運動障害とのギャップを経験することもあります。
観察される現象の背景にある神経システムを理解できれば、セラピーの再現性を高めることができます。
「なぜ足が出にくいのか?」がわかれば、「どうすれば足が出やすいか」と臨床推論の支えとなります。
すくみ足と外部刺激(視覚・聴覚)の関係
この働きが、神経システムの視点での背景と言えます。
姿勢反応に関与する大脳皮質制御
姿勢反応に関与する大脳皮質制御[2]が示されています。
さまざまな姿勢反応の背景を探る手がかりとなります。
小脳ループの適応と調整に働きかけるような課題や環境の選択は、すくみ足を効率的に改善するために大切と言えます。
姿勢制御における大脳基底核の主な機能
自動化
姿勢運動連関
文脈特異性の適応
大脳基底核の4つの役割が示されています。
これらの機能の理解は、柔軟性のある、自動的なバランス制御を獲得する過程で重要となります。
私達は普段、立った姿勢から歩くとき「ここの筋肉に力を入れよう」「このときは力を抜こう」などと考えることはありません。
姿勢と姿勢の変換は連続的であり、なめらかな運動として表現されます。
慣れない運動は、繰り返し練習することで学習され、スムーズな運動となります。
姿勢の緊張や運動リズムの制御に問題を呈する場合は、大脳基底核の役割を理解し、推論していく視点は大切と言えます。
まとめ
本日は、【姿勢制御】すくみ足と視覚・聴覚刺激というテーマで書きました。
すくみ足に外部刺激が有効であることを多く経験しますが、なぜ有効なのかを知っておくことは大切と考えます。
神経システムの理解は難しいかもしれませんが、仮説検証を繰り返し、セラピーの再現性高めることが重要と考えます。
以上になります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
少しでも明日の臨床につながれば幸いです。
References
2.JV Jacobs, FB Horak.Cortical control of postural responses.Journal of neural transmission, 2007