歩行開始の足圧中心の変位

こんにちは、ひろかずです。

脳卒中後ケースの歩行開始を考えると

・麻痺側の足底感覚の乏しさ
・麻痺側足部が内反尖足のアライメント
・非麻痺側下肢は屈曲し前足部荷重

さまざまな現象を背景に、麻痺側から一歩を踏み出すケースが多いですよね。

基本中の基本ですが、歩行開始における足圧中心の変位は、必須の知識です。

今回は、備忘録としてまとめてみます。

足圧中心の軌跡:「立位姿勢から一歩踏み出す」

立位姿勢から一歩踏み出すために、足圧中心の変位が起こります。

T1:圧中心が後方に移動する脚に向かってシフト
T2:右側くるぶしマーカーの変位の開始
T3:右足の着地。
T4:左足の離陸。

Jean-Michel Viton,et al. Asymmetry of gait initiation in patients with unilateral knee arthritis.Arch Phys Med Rehabil. 2000 Feb;81(2):194-200.

左右足部の後方へ変位がみられます。

圧中心は、遊脚側後方から支持脚側後方へ移動し、前足部へ変位しています。

 

 

試しに、立位姿勢から一歩前に踏み出して見ましょう。

 

体験すると感じますが、この圧中心の変位は一瞬で終わりますよね。

 

「圧中心は今どこ?」と感じることができないくらいの速さかと思います。

 

変化を体験するには、両手を腰にあてて、超スローモーションで一歩踏み出してみましょう。

 

骨盤の揺れを感じ、圧中心の変位を体験できると思います。

脳卒中のケースの場合

観察するときは、できれば裸足での評価をおすすめします。
(*皮膚脆弱性や裂傷などは十分に注意)

例えば、
・外反母趾の有無、外板扁平や内反尖足
・浮腫の有無、左右差
・足趾の筋緊張 など

各ケースごと、圧中心の変位に影響する要素を考えていきましょう。

裸足で観察することで、さまざまな情報をえることができます。

歩行開始を見逃さない

「今日リハビリしたケース、どちらの足から踏み出していた?」

この問いに、1ケースごとに答えれる方は、普段から注意深く観察分析してるのだと思います。

歩行開始は一瞬で終わるので、何気なく歩く練習をしていると見逃してしまいます。

 

非麻痺側から歩行開始できているか確認すると、セラピー効果の検証にもなります。

できない場合は、

・圧中心の変位はどこまでできているか
・変位を阻害する要素はなにか
・どこをアシストするできるか

ここの仮説検証を繰り返しながら優先順位をつけていきます。

まとめ

本日は、歩行開始における足圧中心の変位についてまとめてみました。

基本中の基本の知識ですが、疾患問わずに大切なポイントだと思います。

正常を理解しておくと、ケースの現象を観察したとき「なぜ?」と気づきにつながりますよね。

ひとつひとつ丁寧に観察分析してくことが大切だと思います。

 

 

以上になります。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

少しでも明日の臨床につながれば幸いです。

References

1.Jean-Michel Viton,et al. Asymmetry of gait initiation in patients with unilateral knee arthritis.Arch Phys Med Rehabil. 2000 Feb;81(2):194-200.