【姿勢制御】前庭と体性感覚

姿勢を制御するためには、安定性(stability)と方向性(orientation)が重要とされています。

リアルタイムにアップデートされる感覚情報をもとに、姿勢の向きや平衡を保っています。

片麻痺患者において

・まっすぐに立てない
・姿勢は傾き転びそう
・常に頸部は固定的

このようなケースは多いかと思います。

すべてが感覚の問題とは限りませんが、姿勢制御となっている感覚の背景を考察することは非常に大切です。

様々な環境や課題において、感覚の処理過程についてをすべて理解することは非常に難解です。

一度にすべて網羅はできません。

今回は、前庭と体性感覚にポイントを絞って考えていきます。

垂直性の知覚:前庭と体性感覚

垂直性における、前庭と体性感覚について[1]示されています。

大切なキーワードは赤字にしています。

私たちは、姿勢の向きや平衡をそんなに意識せず、垂直性を保っているかと思います。

仮に、少しの重心移動や頭部の傾きにも、気づくことができますし、簡単に修正することができると思います。

この自分にとっての垂直性が安定して保たれている背景に、前庭や体性感覚の役割があると考えられます。

脳卒中後に姿勢制御が難しいケースは、前庭と体性感覚の関連性を考えてみるとよいかと思います。

どのようなバランス戦略か

前庭と体性感覚を考えつつ、どのようなバランス戦略をとっているかを観察します。

安定性限界と支持基底面を評価します。

・重心移動範囲は?
・頭部の揺れは?
・足部機能は?
・股関節戦略 VS 足関節戦略

ここらへんをキーワードに分析を進めていきます。

頭部と頸部の評価

前庭とバランスとの関連を分析するために、頭頸部の評価は重要と考えます。

 

臨床的によく観察されるのは、

【前】
・頸部筋の過緊張&固定性
【横】
・頸部の過伸展
【後】
・後頚部のシワ(過伸展のため)

前庭由来のバランス障害の方は、頭部を揺らすと大きくバランスを崩してしまします。また、眼球も固定的となっていることが多いです。

 

日常的に頭頸部を動かさないように固定的にされている方が多いかと思います。

 

セラピーを進めていく上で

・アライメトは、体幹に対して正中を保てているか

・関節可動性はしっかりと保たれているか

基本的ですが確認していけるとよいかと思います。

まとめ

今回は、姿勢制御における前庭と体性感覚について考えました。

 

「感覚」は目に見えないですし、環境や課題によってバリエーションがあるため簡単に理解するのは難しいかもしれません。

 

セラピーにおいて、背景となる感覚の問題について優先順位をつけられるようになれば、効果的なアプローチになるかと思います。

 

 

以上になります。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

少しでも明日の臨床につながれば幸いです。

References

1.Julien Barra,et al.Humans use internal models to construct and update a sense of verticality.Brain. 2010

2.Fay B Horak. Postural orientation and equilibrium: what do we need to know about neural control of balance to prevent falls?. Age Ageing.2006