安全に歩行介助をするための3ステップ

歩行介助を進めていく上で、一番大切なのは転ばせないことです。

介助者が不慣れであると、介助される側も動きにくさを感じるかと思います。

かつての自分を描写すると

「歩行介助の経験が少ない」
「転ばせそうで不安」
「歩行介助に自信がない」

こんなありさまで、どのように歩行介助を進めて良いか不安でいっぱいでした。

当然、専門的な書籍を読むようなレベルではありませんでした。

振り返ると、第一に大切なのは安心安全に歩行介助ができることです。

専門性はその次にきちんと身についていきます。

焦る必要はないと思います。

 

安全に歩行介助をするための3ステップは以下の通りです。

【ステップ1】
歩行介助の立ち位置を決める
【ステップ2】
事前に立位バランスをチェック
【ステップ3】
転んでしまった時の対処法

では、3つのステップを具体的に確認していきます。

【ステップ1】歩行介助の立ち位置を決める

歩行介助の立ち位置を決めましょう。

歩行介助の立ち位置=転ぶ危険のある位置

「そんなの当たり前でしょ」と言われそうですが、不慣れであると意外にできていないことが多いです。

介助する側もされる側も慣れない環境であれば、思わぬ行動をすることがあります。

まして、はじめて歩行介助を行う場合はなおさらです。

頭ではわかっていても、実際に身体を動かすとできないことがあるものです。

一歩先の動きを予測する余裕を持ち、安全な立ち位置につくことが大切です。

【ステップ2】事前に立位バランスをチェック

ステップ1では、立ち位置を決めることの大切さを述べました。

しかし、「転ぶ方向がわからない」ということもあるかと思います。

この場合、焦って歩行を進める必要はないと思います。

歩行というのは、動的なバランスの要素を多く含んでいます。

事前に静的な立位バランスを確認し、どのような課題で転ぶ危険があるかをチェックしておくと良いと思います。

具体的には、前後左右の立位バランスをチェックしましょう。

立位バランスの結果から

・前方
・側方
・後方
・左右

どちらに転ぶ危険があるか知っておくと立ち位置が決まります。

必ずしも、いきなり歩かなくていいのです。

お互いに安心安全を共有しておくことを優先しましょう。

【ステップ3】転んでしまった時の対処法

安全の準備を万全にしていても、「絶対に転ばない」とは言い切れません。

その場合、転んでしまった時の対処法について知っておくと焦らずに対応できると思います。

転んでしまうと、介助する側と介助される側双方で焦ってしまうことが多いです。

急いで起き上がろうとすれば、再び転んでしまう可能性もあります。

転んでしまったときは、すぐに動く必要はありません。

痛みの有無や症状、vital singsを確認することが大切です。

 

事前準備として大切なのは

・周りに声をかけられる人がいるか
・立ち上がるための支持物が用意されているか
・床から起き上がる介助も知っておく

ここまでできていると安心安全かと思います。

課題と環境

歩行に限らず、初めての課題を行うときは慎重さが求められます。

お互いに不慣れで、予測ができない状況であると転ぶ危険性は高まります。

仮に、歩行が見守りで可能なケースであっても、初めての課題であれば一部介助を選択することがあります。

十分に安全性を確認できたら、見守りを選択するとより安全です。

 

また、歩行介助で方向転換を行うときも慎重さが求められます。

方向転換時に、立ち位置が反対になってしまうと転びそうになったときに間に合わない可能性があります。

一歩先の動きを予測し、立ち位置が反対にならないようにしていきましょう。

まとめ

患者さんの歩行を良くするために、歩行介助を行います。転ばせてしまっては、それこそ本末転倒です。

特に慣れたころは注意です。

安全に絶対はありませんので、いつでも万全の準備をしてセラピーに励みましょう。

本日は、安全に歩行介助をするための3ステップでした。

 

 

以上になります。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

少しでも明日の臨床につながれば幸いです。