【歩行】立脚後期と足部アプローチ

立脚後期は、リズミカルで効率的な歩行に欠かせないフェーズです。

【片麻痺者の立脚後期】
・「足が引っかかる」
・「親指側で踏ん張れない」
・「支える感覚が鈍い」

臨床場面では、このような声をよく聞きます。

歩行の立脚後期は、課題となることが多いです。

はじめに、歩行周期と足底圧について確認します。

歩行周期と足底圧

歩行周期と足底圧が示されています。

【歩行周期】
・立脚相:60%
・遊脚相:40%

立脚後期のHO(ヒールオフ)はセラピー課題となることが多いです。

HOの足底圧から、母趾側での荷重が大切であることがわかります。

・「足の親指で踏ん張れるか」

ここはポイントになります。

次に、母趾側の荷重について確認していきます。

【立脚後期】足部アーチとレバー作用

・足部内側が支点となり、テコのように踵骨が持ち上がる。

ここが大切なポイントです。

【片麻痺者の歩行】
・低緊張や弱化
・屈曲を強める代償活動
・歩幅の狭小

これらから、抗重力伸展活動は低下、Center of mass(COM)を下げる傾向にあります。

セラピーは、足部から膝関節、股関節、体幹…と機能的な運動連鎖を目指します。

COMの推進に貢献する足部機能は、効率的な歩行を考える上で重要と考えます。

【立脚後期】足関節角度と足部アーチ

立脚後期の蹴り出しに、内側縦アーチが重要であること示されています。

内側縦アーチが崩れてしまうと、最適な蹴り出し角度を保持できなくなります。

まずは、足部の関節を丁寧に触診し、楔舟関節の動きを確認できると良いかと思います。

最後に、足部のアプローチです。

【片麻痺】足部のアプローチ

足部のアプローチになります。

【日常生活】
・両手杖歩行自立
【症状】
・母趾側のふんばりにくさ
・すり足になりやすい

既往歴に右片麻痺がある方です。

歩行の立脚後期に動きにくさを感じていました。

【主なアプローチ】
・柔軟性と可動性
・筋肉の活性化
・自主トレーニングの提案/修正

プログラムは、個別の症状にあわせてカスタマイズしていくことが大切と考えます。

まとめ

本日は、【歩行】立脚後期と足部アプローチというテーマで書きました。

足部の効率的な動きの獲得は歩行において大切なポイントです。

個々のケースで足部の動きの特徴を捉え、アプローチへつなげていけると良いかと思います。

以上になります。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

References

1.Linah Wafai et al. Identification of Foot Pathologies Based on Plantar Pressure Asymmetry.Sensors.2015

2.Lauren Welte et al. Mobility of the human foot’s medial arch helps enable upright bipedal locomotion. Frontiers in Bioengineering and Biotechnology.2023

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