腰椎・骨盤アライメントと腹横筋
腹横筋は骨盤腰椎の安定に寄与し、姿勢調整の役割を果たすことからも体幹の安定性に重要です。
各姿勢における骨盤・腰椎アライメントと、安定に寄与する筋肉の影響を理解することは効率的なセラピーに大切です。
骨盤・腰椎アライメントと腹横筋について確認します。
腰椎-骨盤のニュートラルな姿勢と腹横筋
骨盤-腰椎のニュートラルな姿勢は、腹横筋の筋厚を増加させる[1]ことが示されています。
ここでは、健常者でSway-backやSlouched sittingと比較し、超音波画像診断による筋厚結果が示されています。
いわゆる「良い姿勢」をとることで、腹横筋は働きやすい条件となると考えられます。
腹横筋が働きやすければ、四肢の運動は効率的に動かすことへとつながります。
背中を大きく曲げた姿勢や腰を大きく反らした姿勢は「悪い」わけではありません。
ただ、日々繰り返される動作を考えると、より楽で効率的な条件である方が良いです。
骨盤-腰椎アライメントと腹横筋の関係を理解し、日々の姿勢の管理につなげていきましょう。
片麻痺患者の骨盤運動
片麻痺患者において、骨盤運動のコントロールに非効率性は臨床場面で多く経験します。
・座位で靴下を履くための、骨盤の側方傾斜が難しい
・着座に骨盤の後傾コントロールが難しく、勢いよく座ってしまう
骨盤運動のコントロールは、日常生活にも直結するため、セラピー課題となることも多いかと思います。
姿勢と腹横筋の関係性を理解し、より効率的に活性化することが求められます。
・立位で壁にもたれ、腰椎-骨盤をニュートラルに近づける
・側方に安定した支持物を設け、骨盤の側方傾斜をアシストする
環境設定を工夫することで、腹横筋の活性化につながる条件を作ることができると考えます。
腹横筋と予測的姿勢制御【過去記事】
四肢の動きのコントロールに、腹横筋が大切である根拠です。
過去記事ですが、参考になれば幸いです。
まとめ
骨盤・腰椎アライメントと腹横筋について書きました。
腹横筋の働きは、中枢神経疾患のみならず、スポーツ分野や腰痛予防など、さまざまな領域で重要性が提言されています。
基本的ですが、アライメントと筋肉の関係性を丁寧に観察分析することが大切と考えます。
以上になります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
少しでも明日の臨床につながれば幸いです。