【神経系リハビリ】投射神経と介在神経

投射神経と介在神経の理解は、神経系リハビリ(脳卒中、脊髄損傷など)において重要です。

効率的な動作のためには、感覚運動機能の維持が不可欠であり、投射神経と介在神経がその役割を担うからです。

・手が動きにくい
・歩きにくい
・姿勢保持が不安定

これらの臨床上問題となる姿勢や動作の解釈に、神経系の理解が不可欠となります。

投射神経と介在神経

投射神経は、脳や脊髄から出て周辺の筋肉や臓器などに直接信号を伝える神経です。

例えば、上肢の動きを制御する脳の運動野から出た投射神経が、腕の筋肉に信号を送って腕を動かすことができます。

一方、介在神経は、神経系内で信号を中継する神経です。

投射神経からの信号を受け取り、他の神経や筋肉・臓器に伝達する役割を担います。

例えば、痛みを感じるときには、投射神経が痛みの信号を脳に送り、介在神経がその信号を強めたり弱めたりすることで、痛みの感覚をコントロールしています。

同じ刺激でも痛みを感じる人、感じない人がいることからもわかります。

この投射神経と介在神経の連携は、アプローチを進める上でも大切な視点です。

投射ニューロンの軸索

投射ニューロンは、脳から身体の筋肉に指令を送る役割を担っています。

つまり、随意運動を制御する上で欠かせない存在となります。

投射ニューロンが損傷したり障害を受けると、随意運動が困難になる場合があります。

「少しだけ指を動かせるようになった」
わずかな随意運動であっても、神経系の潜在能力を判別する大切なポイントとなります。

介在ニューロンの作用

介在ニューロンは、神経系の中で情報の中継を行う神経細胞です。

中継役を担う中で、神経の働きを強めたり、弱めたりすることで情報伝達に柔軟性を与えています。

動きを制御する筋肉の収縮にも柔軟性は不可欠です。

歩行や立ち上がり動作など、環境に応じて常に最適な筋収縮の調整がなされます。

足部の荷重感覚、下肢筋活動パターン(タイミング・強さ)、体幹筋の姿勢調整など、効率的な動きにはこれら調整はどれも大切です。

動きの柔軟性や調整には、介在ニューロンの理解が大切と考えます。

課題に依存する上肢の神経制御

上肢の神経制御の理解は大切です。

・随意運動は難しいけど、歩くときは腕が振れる
・麻痺手のアプローチ後、歩きやすくなる

これらは臨床上よく経験します。

上肢機能が低下すると、歩行中に腕を振る動作が制限され、歩行の効率が低下します。

脳卒中により皮質に損傷がある場合も、脊髄は無傷であれば、歩行時の腕の振りは観察ポイントとなります。

上肢機能の潜在性を示す場合は、麻痺手の随意運動だけでなく、歩行との関係性を考慮した検討が大切と考えます。

まとめ

脳卒中リハビリの機能回復を考える上で、神経系の理解は重要です。

神経系は多様であるため、一人ひとりに合わせた丁寧な臨床推論が大切と考えます。

以上になります。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

References

1.Per Brodal.The Central Nervous System. Oxford University Press, USA, 2010

2.Volker Dietz.Do human bipeds use quadrupedal coordination?. Trends Neurosci.2002

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