【神経系リハビリ】ニューロンとシナプス

脳卒中後のリハビリは、脳卒中(脳出血・脳梗塞)によって損傷を受けた神経回路の回復が大切です。

その中で、シナプスとニューロンは非常に重要な役割を果たしています。

・手が動きやすくなる
・歩きやすくなる
・姿勢保持が安定する

これらの機能回復を考える上で、神経系の理解は重要と言えます。

神経系とは -中枢神経と末梢神経-

神経系とは、身体の情報伝達と制御を担うシステムのことです。

中枢神経系と末梢神経系の2つに分かれます。

中枢神経系は脳と脊髄から成り、末梢神経系は中枢神経系以外の神経で構成され感覚器官や筋肉、内臓などを支配します。

神経系は、感覚情報を受け取り、情報処理を行い、それに基づいて運動指令や生体内部の調節を行い、身体の機能を維持しています。

シナプスの伝達

シナプスとは、ニューロンが信号を伝えるための接触部位です。

シナプスはニューロンの間で情報を伝達するための重要な構造であり、ニューロンの活動やコミュニケーションに欠かせないものです。

手足の動きや機能が制限された場合、脳や神経系でのシナプスの伝達がうまく機能していない可能性があります。

・手で物をつかむ
・歩きやすい感覚
・足の位置や力の感覚を調整する

セラピーの過程で感覚運動の変化を実感することがポイントです。

リハビリの目的の一つは、シナプスの伝達を改善し、神経回路の再編成を促すことにあります。

多様な神経細胞(ニューロン)の構造

ニューロンの基本的な構造は下記になります。

・細胞体
・軸索
・樹状突起
・神経終末

神経系が多様な機能を担うため、軸索の長さや分岐の数、シナプスの形状や数などニューロンの構造は多様です。

セラピーにおいて、個別性にあわせた課題や環境を設定し、残存ニューロンの機能を引き出すことが大切です。

シナプスの可塑性(長期と短期)

シナプスの可塑性は、脳が外部の環境に適応するために必要なプロセスの一つであり、学習と密接に関連しています。

運動学習においても、脳のニューロン同士のシナプス接合部分が変化を起こすことで、運動の改善や習得が可能になります。

・問題となる現象をみつける
・問題となる現象の仮説を立てる
・仮説検証(アプローチ)を進める

上記を通して、一人ひとりにあわせた効果的な運動を繰り返すことが、最適な運動学習に大切となります。

まとめ

脳卒中後リハビリの機能回復を考える上で、神経系の理解は重要です。

神経系は多様であり、一人ひとりに合わせた丁寧な臨床推論が大切と考えます。

以上になります。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

References

1.Per Brodal.The Central Nervous System. Oxford University Press, USA, 2010

2.Randolph J Nudo.Functional and structural plasticity in motor cortex: implications for stroke recovery.Phys Med RehabilClin N Am. 2003

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