荷重を伝達する9つの筋肉 【垂直軸】

「真っ直ぐ姿勢を保つ。」

健常人であれば、特に意識を向けることなくできていることだと思います。

・真っ直ぐ座れない
・真っ直ぐ立てない
・歩くと傾いてしまう

片麻痺患者さんのセラピーでは、これら何気ない姿勢や運動がいかに難しいことであるかを認識します。

「片麻痺」という病態は、中枢神経系の障害であり、臨床像はマスパターンで捉えることが本質です。

つまり、単一の筋肉のみを捉えていると本質を見失う可能性が高いと考えます。

「〇〇筋を鍛えればOK」というほど簡単ではないのは、臨床経験を重ねるほど痛感することです。

「垂直軸を保つ。」

ここに関連する筋肉の理解は基本中の基本として知っておく必要があります。

The transfer load group represents those muscles with axial-appendicular attachments (ie, gluteus maximus, gluteus medius, hip adductors, rectus femoris, iliopsoas, trapezius, latissimus dorsi, deltoid, pectoralis major) that transfer force and momentum between the extremities and core along the kinetic chain.
荷重を伝達する筋群は、軸-垂直方向に付着した筋肉(大殿筋、中殿筋、股関節内転筋、大腿直筋、腸腰筋、僧帽筋、広背筋、三角筋、大胸筋など)で、運動連鎖に沿って四肢と体幹の間で力と運動量を伝達する筋肉です。

Kellie C. Huxel Bliven et al.Core Stability Training for Injury Prevention.Sports Health. 2013

荷重の伝達する筋群【9つの筋肉】について確認していきます。

荷重を伝達する筋群【9つの筋肉】

下肢の筋群は5つです。


体幹の筋群は4つです。

垂直軸を保つための9つの筋群は、基本ですので頭にいれておきましょう。

アプローチの優先順位

アプローチを進めていくときには、問題となる現象に優先順位をつけなければなりません。

どのように優先順位をつけていけば良いでしょうか。

一つ目の方法は姿勢の変化で鑑別していくことです。

【座位と立位の違い】
・座位が保てない→体幹の筋群をチェック
・座位は保てるけれど、立位の保てない→下肢の筋群をチェック
・座位と立位で保てない→下肢・体幹の筋群をチェック

座位と立位姿勢による変化が観察されれば、関連する筋群を絞り込むことができます。

二つ目の方法は垂直軸が傾く方向から考えることです。

【前後に傾くかor左右に傾くか】
・「前後に傾く」→前背面の筋群をチェック
・「左右に傾く」→側面の筋群をチェック

傾く方向が観察されれば、関連する筋群をさらに絞り込めます。

【荷重伝達】筋・筋膜による運動連鎖

荷重を伝達する力は、運動連鎖を通じて筋膜を介した運動連鎖[1]を捉えることが重要とされています。

胸腰筋膜は骨盤と下肢を連結していますし、広背筋は骨盤から上腕骨に停止しています。

このことからも単一の筋肉ではなく、構成要素となる各筋群のシークエンスを考えながら分析をすることが大切と言えます。

分析に難しさを感じるとき

とはいえ「やっぱり難しいな」と感じることがあるかと思います。

というか、難しいと感じることがほとんどかと思います。

これまで言ったことと矛盾してしまいますが、単一の筋肉にアプローチすることで全体の変化を捉えることもあるかと思います。

一つの筋肉が運動連鎖にどれだけ貢献しているかを、アプローチを通して仮説検証するのです。

もちろん優先順位を考えながらです。

仮説検証を繰り返すことで、再現性を高めていけるとシークエンスを捉えることにつながると思います。

まとめ

本日は、荷重の伝達する筋群【9つの筋肉】についてまとめました。

姿勢の変化や垂直軸の傾きの方向を丁寧に観察しアプローチすることが大切と考えます。

 

 

以上になります。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

少しでも明日の臨床につながれば幸いです。

References

1.Kellie C. Huxel Bliven et al.Core Stability Training for Injury Prevention.Sports Health. 2013