体幹の安定性が大切な理由

四肢を効率的に動かすために、体幹の安定性が大切

言葉にすると簡単ですが、臨床的に体幹の動きや筋肉を分析しながら進めていくのは難しいことも多いです。

一言に「体幹の安定」と表現しても、どのような安定が最適なのか一人ひとり分析をする必要があります。

はじめに「体幹の安定性」についての定義を確認していきます。

コアスタビリティとは

Kilberらの提唱する定義[1] は、本質をつく表現になっています。

日々の臨床において、「体幹の安定性=コアスタビリティ」を考えるとき、この定義を忘れないようにしています。

例えば、片麻痺患者において

・体幹が伸びない←麻痺側下肢の伸展を援助したらどうか
・腕が上がらない←体幹の伸展を援助したらどうか
・手が使いにくい←肩の安定性を高めたらどうか

近位部と遠位部の関連性を考えつつアプローチを行っていきます。

仮説検証を繰り返し、動的なアプローチを展開していくための考え方が大切です。

よくある誤解は、「体幹の安定性=静的な安定性」と考えてしまうことです。

仮に、体幹が岩のようにどっしり安定していても動けなければ何にもなりません。

あくまで運動を前提とした最適な安定性を求めていくことが大切です。

運動連鎖とは

コアスタビリティを考えるとき、運動連鎖もセットで考えておく必要があります。

歩行や上肢課題で運動連鎖を考えてみると

・歩行時の膝折れ、反張膝←下肢の運動連鎖
・リーチ動作の伸びやすさ←上肢の運動連鎖

このような動きの連続性やつながりを捉えつつアプローチを進めていきます。

まずは、動きの連続性やつながりにくいところをみつけることが大切です。

「歩くと膝がグラグラする」
「歩くと膝が突っ張る」
「途中から手が伸ばしにくくなる」

患者さんはさまざまな表現で、運動連鎖についてのヒントを教えてくれます。

動きの連続性とつながりの背景となる筋活動や感覚に対して仮説検証を進めていきましょう。

遠位部(足部・手)と近位部(体幹・股・肩)との関連性を常に意識しておくのが大切です。

構造的には不安定

骨格を確認してみましょう。

見て分かる通り、そもそも骨構造的に体幹は不安定です。

骨標本を座らせておくと崩れてしまいますよね。

特に、胸郭と骨盤の間は空間が広く、腰椎のみで支えているような構造です。

安定のためには、筋肉が大切といえます。

基盤となる安定

基盤として大切なのが、腹横筋と多裂筋です。

骨構造の不安定性を補うように、体幹の深部に位置し、体幹・脊柱を安定します。

腹横筋は、深部に位置するため直接さわることはできません。

黄色のエリアであれば、内腹斜筋を介して間接的に動きを確認することができます。

「下っ腹に力をいれる」
「強く息をはいてみる」
「肛門をしめる」

上記のように、腹横筋を活性化するためのコツはいくつかあります。

うまく腹圧を高めることができれば、黄色のエリアに「バンっ」と張るように力が入るのを確認できます。

まとめ

本日は、体幹の安定性が大切な理由について考えました。

「体幹の安定性」は日々臨床でも考えることが多く、アプローチのターゲットになる方も多いかと思います。

四肢との関連性を捉えつつ丁寧に分析していきましょう。

 

以上になります。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

少しでも明日の臨床につながれば幸いです。

References

1.W Ben Kibler,et al.The role of core stability in athletic function,Sports Med.2006