【足部と荷重感覚】皮膚の感覚受容器から考える
皮膚の柔軟性を保つことは、足部の荷重感覚のために大切です。
・足趾が硬い
・足底が接地できない
動きの乏しい足部は、皮膚の硬さにつながっている可能性が高いです。
「ほんの少しだけわかる(感覚)」
「圧迫感はわかる」
「触れているのはわからない」
足部の感覚に関する訴えは、さまざまです。
これらの訴えに、セラピーを通して推論を進めてくことが臨床場面で求められます。
今回は、皮膚の観点から足部と荷重感覚について考えていきます。
皮膚の感覚受容器
皮膚の感覚受容器[1]が示されています。
・マイスナー小体
・パチニ小体
・ルフィニ終末
皮膚の受容器の分布位置(表層/深層)、大きさの違いはポイントです。
荷重感覚の変化を感じるためには、これらの感覚受容器が最適に働いていることが大切と言えます。
・外反扁平【低緊張】
過緊張・低緊張による足部のアライメント変化を経験します。
最適な皮膚柔軟性の判断は、非麻痺側と比較すると良いと思います。
荷重による各受容器の刺激変化を考えることは大切です。
適切な感覚入力が提供されなければ、「わかりにくい」と感覚・知覚の鈍さにつながる可能性があります。
次に、機械受容器の役割について確認します。
機械受容器の役割
機械受容器の役割[2]が示されています。
ヒトの足部は、高感度センサーを備えた精密機器のようです。
・でっぱり−へこみ
・伸びる−縮む
外界(床面)と支持基底面(足底)の相互作用に、機械受容器が貢献していると言えます。
「時間がたつと踏ん張る感じがわからなくなる」
「小趾側はわかるけど、母趾側はわかりにくい」
患者さんからの感覚・知覚の様々な表現から感覚入力を推論することがセラピーにおいて重要です。
皮膚の柔軟性と感覚の役割の相互作用から適応を捉えること視点が大切と考えます。
皮膚機械受容器 4つのサブタイプ
足底において各機械受容器の分布が示されています。
・適応の速度
これらは、感覚の変位や識別を考える上で大切と言えます。
メルケル盤やマイスナー小体は、小趾側に高密度に分布しています。
これらは、足底外側の荷重のセンサーとして働き、側方へのバランス制御に貢献している可能性が考えられます。
脳卒中後の片麻痺者は、側方のsway(揺れ)が大きく、足底外側の荷重を知覚しにくいケースを経験します。
臨床場面で、厳密に受容器の貢献度を明らかにするのは難しいかもしれません。
大切なのは、患者さんの訴えと各受容器の役割を照らし合わせ、セラピーを通して不足している感覚情報を提供することです。
皮膚求心性神経のタイプ分類
適応とは、簡単に言うと「慣れ」です。
触れらた直後は「触れている」と感じても、同じ強さで長く触れていると慣れてしまいます。
臨床場面でも立った直後は膝関節が伸びているのに、立っていると徐々に膝が沈み込むケースを経験します。
荷重感覚の知覚につながるよう課題の選択が必要です。
セラピー場面では、患者さん一人では感じ取れない感覚情報を提供できるかがポイントと考えます。
まとめ
本日は、【足部の荷重感覚】皮膚の感覚受容器から考えるというテーマで書きました。
荷重感覚と皮膚のコンディションから、不足している感覚情報を推論することが大切と考えます。
足部の皮膚の柔軟性を保ち、立位・歩行のパフォーマンスにつなげていけると良いかと思います。
以上になります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
少しでも明日の臨床につながれば幸いです。