【脳卒中後リハビリ】 網様体脊髄路の経路・役割

脳卒中後リハビリにおいて、神経システムと臨床像の理解は大切です。

・遠位部の随意運動
・近位部の姿勢コントロール

患者さんの姿勢運動分析を進めるときに問題点となることが多いです。

・「随意運動は概ね保たれているけど、姿勢保持が不安定」
・「姿勢は安定していけれど、手の操作は拙劣」
・「動作に伴い、姿勢保持が難しくなる」

これらの問題点を評価し、推論していく過程で網様体脊髄路の経路・役割の理解が重要と考えます。

姿勢制御プログラムと随意運動

姿勢制御プログラムと随意運動について示されています。

・皮質網様体脊髄路:予測的姿勢制御の働き
・皮質脊髄路:随意運動の働き
臨床像から姿勢運動の問題を分析し、神経システムとの整合性を確認していきましょう。
動作の観察分析から、全体像を捉えていきましょう。
・近位筋(体幹・股関節・肩関節)の問題
・遠位筋(手部・足部)の問題

臨床場面では、両者の問題が混在していることも多いのが実際です。

皮質網様体脊髄路の経路

皮質網様体路の経路が示されています。

あわせて、皮質脊髄路の経路についても理解しておくと良いかと思います。

・皮質網様体路(青い経路)
・皮質脊髄路(赤い経路)

健常人の神経経路を理解は、患者さんの病変部位から機能を予測することにつながります。

例えば、ブロードマン6野に限局した病変を呈する場合、随意運動は保たれていても、姿勢コントロールに問題をきたすかもしれません。

内包に病変を呈する場合、両経路の通り道は近く、随意運動、姿勢コントロール両方に問題をきたすかもしれません。

経路の通り道を理解することは、病態を推論する手助けとなります。

潜在能力を引き出すこと

神経システムの経路・役割を理解は、潜在能力を引き出すことにつながります。

例えば、皮質脊髄路は保たれているにも関わらず、随意運動がみられない場合。

動かない要因は「麻痺」の影響で動かないのではなく、他の影響である可能性が考えられます。

覚醒や自発性の低さはその一例です。

機能を予測し、経過にあわせたセラピー展開が大切と考えます。

まとめ

本日は、網様体脊髄路の経路・役割というテーマで書きました。

臨床場面では、白黒はっきりできず、モヤモヤすることもあるかもしれません。

臨床像と神経システムを理解し、1ケースごと丁寧に臨床推論を深めていくことが重要と考えます。

 

以上になります。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

少しでも明日の臨床につながれば幸いです。

References

1.高草木 薫、【ニューロリハビリテーションにおけるサイエンス-臨床と研究の進歩】 運動麻痺と皮質網様体投射、脊椎脊髄ジャーナル Vol.27, No.2  (2014. 2) ,p.99- 105

2.Sang Seok Yeo et al.Corticoreticular pathway in the human brain: diffusion tensor tractography study.NeuroscienceLetters .2012