【腰痛者の特徴】リーチ動作と腹横筋の働き

効率的なリーチ動作には、体幹筋の安定が大切です。

特に、体幹の最深部に位置する腹横筋は、予測的な姿勢調整に重要とされています。

・常に前かがみ姿勢となっている
・肩・腕に力が入っている
・腰部にいつも力が入っている

腰痛による動きの非効率性は、日常生活のさまざまな場面に影響します。

・「痛くて動けない」
・「痛くなりそうで怖い」
・「(痛みはないけど)また痛くなりそう」

「痛み」の解釈は、個人によってばらつきがあり、影響を受ける動きの非効率性も個人差があるのが実際かと思います。

今回は、【腰痛者の特徴】リーチ動作と腹横筋の働きについて書いていきます。

肩関節屈曲動作の速度と腹横筋の働き

まずは、正常運動の理解が大切です。

考えてみると、日常生活でリーチ動作の速度に着目することは少ないかもしれません。

さらに、リーチ動作中の「体幹の動き」に意識を向けることなどないかもしれません。

・重いものを持つ
・軽いものを持つ
・手を伸ばして操作する

さまざまなリーチ課題は、最適な筋活動によって支えられています。

【素早い肩関節屈曲】
腹横筋と内腹斜筋の早期の活性化

ここは、臨床的に大切な視点です。

プログラムを考えるヒントにもなります。

インナーマッスルを鍛えるために素早いリーチ動作を練習に組み込むなど、アイデアにもつながります。

腰痛者の腹横筋の働きは?

続いて、腰痛者の特徴を捉えていきましょう。

【素早い肩関節屈曲】
腹横筋と内腹斜筋の働きの遅れ

単に「筋力が弱い」ということではないようです。

働きに「遅れ」が生じる点はポイントです。

つまり、予測的な姿勢調整の働きにエラーが起きているとも解釈できます。

実施の臨床場面では、「腹横筋の働くタイミング」を正確に判断することは難しいかもしれません。

・リーチ動作に体幹の大きな揺れ
・アウターマッスルの過活動
・動きの微調整の難しさ

大切なのは、一人ひとりのリーチ動作の特徴を捉え、動作前の姿勢から分析することと考えます。

痛みが運動制御に及ぼす影響

予測的な姿勢調整は、中枢神経系によってなされるフィードフォワード制御です。

痛みによってそれらにエラーが生じるのであれば、関連するシステムを知っておくことが大切と言えます。

・痛くないように気をつけて動く
・痛くなりそうで怖い
・痛い部位を動かしたくない

経過が長くなるほど、動きは学習され、反復により強化されます。

ときには、痛みの部位も変わってくるかもしれません。

身体面(姿勢運動)と精神面(情動)の両面をバランスよく捉えてアプローチを進めることが大切と考えます。

関節の負担が少ないニュートラルゾーン

腰に負担のない動きを知っておくことは大切です。

腰を大きく伸ばすこと・曲げることはできていても、反復し無理をすれば痛みにつながる可能性があります。

大切なのは負担のない動きの範囲(≒ニュートラルゾーン)を知っておくことです。

痛くなると、「痛くならないように」と動きの範囲は少なくなるかもしれません。

また、痛みがなくなった後も、動きは痛いときの身体の使い方を続けてしまうケースもあります。

再発予防のためにも、痛みのない感覚と動きの再学習が大切と考えます。

まとめ

本日は、【腰痛者の特徴】リーチ動作と腹横筋の働きをテーマに書きました。

日常生活に必要なリーチ動作の特徴を捉え、動作前の姿勢から分析することが重要です。

一人ひとりの痛みを理解し、再発予防につながるアプローチが大切と考えます。

以上になります。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

少しでも明日の臨床につながれば幸いです。

References

1.Paul W Hodges et al. Altered trunk muscle recruitment in people with low back pain with upper limb movement at different speeds.Arch Phys Med Rehabil.1999

2.Paul W Hodges et al. Pain and motor control of the lumbopelvic region: effect and possible mechanisms.Journal of Electromyography and Kinesiology.2003

3.Manohar M Panjabi.Clinical spinal instability and low back pain.J Electromyogr Kinesiol. 2003