【脳卒中後の介護】身体の援助・誘導の注意点

脳卒中の後遺症により身体サポートを必要とされる方は少なくありません。

セラピストはセラピー場面で、直接身体に触れることも多いかと思います。

今回は、高齢者を対象とした場合、身体に直接触れるときの注意点を考えていきます。

高齢者の皮膚・筋肉

高齢であるほど、皮膚は脆弱であり傷つきやすい傾向にあります。

虚弱傾向の方であれば、筋肉量の減少がみられています。

また、循環器系の疾患を抱える方であれば、握っただけででアザになってしまう可能性もあります。

高齢者の皮膚・筋肉は非常にデリケートであると言えます。

動きの援助・誘導をするときは、強く握らないように注意が必要です。

身体への触れ方

では、実際に触れるときにはどのような点に気をつけるべきかを考えます。

ひとつは指を立てて、ギュッとつかまないことが大切です。

指をそろえて、「面」で接触することがポイントです。

指先のつかむような接触は「点」で捉えてしまうため、圧刺激が強くなります。

手で身体に触れるときは、触れる面積を広げることで、対象者に不快感なくサポートすることができると言えます。

動きの誘導・援助前に確認

動きを誘導・援助する前に確認すべきこともあります。

基本的ですが、爪が長いと対象者を傷つけてしまう可能性があります。

また、セラピストの時計や指輪、胸元のポケットにあるペンなども、密着する場合には傷つけてしまう可能性があります。

他に、セラピストの手が冷たいと相手を驚かせてしまい、不快な刺激となることも考えられます。

・爪を短くする
・身につけたものは外す
・手を温める

ここは、最低限すぐにできるポイントかと思います。

セラピスト視点

セラピスト視点として、誘導・援助時に「動いてくれるのを待つ」のも大事なポイントかと思います。

全てをサポートするのではなく、できる能力見極め引き出していくことが大切です。

姿勢運動分析をベースに、最小限のエネルギーでサポートできる方法を探りましょう。

楽に誘導・援助できる方法は、家族や介助者にも有益な情報になります。

マンパワーを考慮しつつ、状況にあった方法を提案することはセラピストの役割かと思います。

まとめ

本日は、身体の援助・誘導の注意点についてまとめました。

介護サポートには技術的な部分も多いかと思いますが、まずは相手に不快感を与えないことが基本と考えます。

 

以上になります。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

少しでも明日の臨床につながれば幸いです。