【片麻痺】 上肢・手のリハビリは感覚が大切
片麻痺の上肢・手のリハビリを効果的に進めるためには感覚の理解が大切です。
・「つまみにくい(感覚)」
・「動きにくい(感覚)」
上肢・手の巧緻性・操作性に関する訴えは、「感覚の要素」を含んでいると言えます。
脳卒中後の上肢・手の機能回復を高める上で、感覚を理解することが大切といえます。
上肢トレーニングと脳の可塑性
脳卒中後の上肢・手の機能回復に脳はどのように関与しているのでしょうか。
ここはポイントです。
日常生活の手を考えてみます。
・PC操作(両手動作)
・家事動作(両手動作)
・書字動作(片手動作)
・靴下の着脱(両手動作)
課題によって、片手動作・両手動作は様々です。
両側の感覚野が回復に寄与することを考えると、上肢トレーニングも工夫が生まれます。
麻痺側の上肢・手の感覚に問題を呈する場合、非麻痺側で「どのような感覚か」と動きのコツを確かめてみるのも有効かもしれません。
【片麻痺の上肢・手】視覚と体性感覚の統合
上肢・手の操作には、視覚と体性感覚の統合が大切です。
視覚情報が不足している場合、もしくは体性感覚に低下がある場合は、手の巧緻性は低下することが考えられます。
手の巧緻性が低下している場合、視覚と体性感覚の評価が重要です。
視力
視野
視線
距離感
立体感
中心視or周辺視 など
表在覚
深部覚
二点識別覚 など
上肢・手の動きにくさの要因を整理することが大切と言えます。
運動学習の過程
上肢・手のリハビリに課題を用いる場合、はじめは上手にできないことが多いです。
ですが、「動きのコツ」をつかむには段階があることを知っておきましょう。
つまり、回数を反復しなければ、学習効果は評価できません。
学習過程を理解し、リハビリの課題・期間・時間を考えていくことが大切です。
リハビリの課題・期間・時間の標準化は難しい?
「〇練習を、〇期間、〇時間行えば、☆に回復します。」と断言できたらいいですよね。
ですが、難しいのが現状かと思います。
その理由は、一人ひとりの運動は、記憶・経験・学習に基づいているからです。
手の動作から考えてみます。
欧米人:食事はナイフ&フォーク(両手動作)
日本人より欧米人は、箸操作の課題は難しいことは明らかです。
これは極端な例ですが、「課題・期間・時間」は個別設定が重要であると言えます。
まとめ
本日は、【片麻痺】 上肢・手のリハビリは感覚が大切というテーマで書きました。
上肢・手の機能回復を考える上で、麻痺側のみならず、非麻痺側の感覚の影響も捉えていくことが重要と考えます。
観察される現象から感覚運動を推論し、アプローチを進めていくことが大切です。
以上になります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
少しでも明日の臨床につながれば幸いです。
References
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