【片麻痺の体幹機能】 コアスタビリティのトレーニング手順
姿勢やバランスのための体幹の安定性は、神経制御システムによって最適に調整されています。
・姿勢の乱れの修正ができない/遅れる
・起き上がり動作が大変
これらは脳卒中後の片麻痺患者さんの体幹機能障害としてみられる現象です。
コアスタビリティは、運動の準備、姿勢の安定、効率的な四肢運動に貢献することから、体幹機能を最適化することはが求められます。
また、体幹は運動連鎖の中心であり、さまざまな動作に影響することからも、効果的・効率的にトレーニングすることが大切と言えます。
はじめに、片麻痺者の体幹筋活動の低下について確認していきます。
片麻痺者の体幹筋活動の低下
脳卒中後の片麻痺者における活動が低下する筋群が示されています。
臨床的には、低緊張を呈する筋肉をみつけることがポイントです。
不活性な筋群とパフォーマンスとの関連性を推論していくことが大切です。
・姿勢の揺れが大きい
・四肢のバランス反応が大きい
脳卒中後の片麻痺者は予測的姿勢制御が最適に機能せず、上記のようなリアクティブなバランス反応が顕在化することを経験します。
体幹の安定化を図ることで、姿勢の乱れを最小限に制御できることは評価指標のひとつとなります。
コアスタビリティのトレーニング手順
コアスタビリティのトレーニング手順例[2]が示されています。
原著はスポーツ分野の論文ですが、脳卒中領域にも応用できる概念かと思います。
筋肉の動員→静的な安定→動的な安定へと移行しています。
・体幹運動(屈曲伸展・側屈・回旋)
・姿勢と重力の影響(臥位・座位・立位)
臨床的には、上記三点による変化から、問題の優先順位をつけることが大切と考えます。
機能的な体幹の安定
機能的な体幹の安定[2]が示されています。
ときどき、聞かれることがあります。
脳卒中後のリハビリにおいて、臥位での腹筋トレーニングが最適とは言えません。
機能的な体幹の安定性には、ローカル筋とグローバル筋の姿勢調整を促通し、抗重力伸展活動への貢献を高めることが大切と考えます。
姿勢により異なる腹筋の動員
低緊張である筋肉を鑑別し、パフォーマンスとの関連性を見出した後は、どのように活性化するかを考えていきます。
脳卒中後の片麻痺患者さんでは、呼吸運動により筋動員を高めることが難しいことも経験します。
そのため、セラピーにおける姿勢(座位or立位)、課題(上肢リーチ[上方、側方、下方])の選択が重要となります。
コアスタビリティの活性化のために、最適な課題・環境設定がポイントとなります。
まとめ
本日は、【片麻痺の体幹機能】 コアスタビリティのトレーニング手順について書きました。
筋肉の動員→静的な安定→動的な安定の体幹機能を評価することが重要です。
トレーニング手順は、難易度設定を決める上でも大切な視点となります。
以上になります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
少しでも明日の臨床につながれば幸いです。
References
2.Kellie C. Huxel Bliven et al.Core Stability Training for Injury Prevention.Sports Health. 2013