セラピストとして成長するための心構え

臨床経験二年目の頃、先輩からこのような事を言われました。

 

「先輩は追い抜くためにいるんだよ」
「同じ国家資格を持っているんだから対等に話しなさい」

当時の僕は、先輩=教えを請う存在と認識していましたから、この言葉に衝撃を受けたのを覚えています。

もちろん先輩から学ぶべきことは多くあると思います。

しかし、それだけで満足してはいけないことを強く認識しました。

セラピストとして成長するためには、知識・技術・熱意を高めることが必要かと思います。

ただし、最も大切なのは成長についての考え方を持っておくことが重要だと考えます。

「成長」について知っておくべきこと

臨床経験三年目の頃、「どうも伸び悩んでいるな…」と漠然とした不安を抱いていました。

しかし、今考えると「悩んでいる時間にあまり意味はなかったな」と感じます。

成長は自動的には起こらない。事業の成功によって、自動的にもたらされるものではない。成長は不連続である。成長のためには、ある段階で自らを変えなければならない。

P.F.ドラッカー(著)マネジメント

当時の僕は、学ぶことに受け身で教わることが当たり前になっていた気がします。

どこかのタイミングで、わからないことは自分から調べる、学ぶ、検証するなど自ら学ぶ考え方へ変換する必要があります。

振り返ると、臨床経験三年目までに「常に教わり続けている」「わからないことは全て上司に学ぶ」こんな状況であったら、結構まずかったなと思います。

セラピストとして自立するためには、自ら調べてまとめるタイミングを逃さず、学びながら変化していくことだと思います。

 

とはいえ、右肩上がりに成長できれば苦労しないのですが、凡人の僕は順調にはいきませんでした。

伸び悩みを感じたとき、「最初からうまくいかないのは当たり前」と受け入れられると楽になります。

その上で、「昨日よりも1mmでも前に進む」と自己マネジメントすることに集中することが大切と考えます。

患者さんに直結することから学ぶ

セラピストの成長は患者さんに還元できてこそ意義のあることです。

「何から勉強したらよいかわからない」と悩むときは、「患者さんに直結することから学ぶ」ことをおすすめします。

いきなりガイドラインや分厚い書籍を読むことはおすすめしません。(そのほうが良い方は是非。僕は眠くなります。)

「その日の患者さんを思い出してみましょう。」

頭の中にリアルな臨床像を描くことで、学ぶことの動機づけが高まります。

次の日のセラピーに選択肢が一つ増えていたら小さな成長につながっていると考えます。

考え方を変えること自体に、経験年数は関係ありませんし、すぐにできることだと思います。

むしろ、若手の方が思考は柔軟なので気づきも多いのではないでしょうか。

一症例との出会いを大切にして、常に患者さんから学ぶ姿勢を忘れないようにしましょう。

成長には準備が必要

成長には準備が必要である。いつ機会が訪れるかは予測できない。準備しておかなければならない。準備ができていなければ、機会は去り、他者へ行く。

P.F.ドラッカー(著)マネジメント

学ぶことができたら、次は継続して習慣化することをおすすめします。

この「準備」をどのようにするか?

具体例をあげてみます。

例えば、セミナーに参加することを決めたとします。

セミナー前にやるべきことは、事前にググれる情報は全て調べることです。

テーマが決まっていれば、調べること自体は誰にでもできると思います。

調べてもわからなかったことをはっきりさせておけば、セミナー中に学ぶ&質問することができれば効率的に理解できますよね。

さらに、セミナー後に根拠となる原著のチェックがおすすめです。

ここまでできると自分の頭の中が整理できます。

できる準備をせずにセミナーに参加するのはコスパが悪すぎます。

学んで知識が増えても満足しない

いつも気をつけているのは、「知識がストックされること自体にはあまり意味ない」と考えています。

知識量がストックされることの「学んだ満足感」に浸らないようにしましょう。

大切なのは、臨床の意思決定につながる知識(根拠)をいかにストックできるかです。

 

この記事は肩甲骨と肩関節のセラピーに根拠を持つためにまとめました。

リーチ動作と肩甲骨の動き

「リーチ動作中の肩関節角度にあわせて、肩甲骨をどのように安定させるべきか」の根拠にしています。

まとめ

本日は、セラピストとして成長するための心構えについて書きました。

「成長したい」と思うものの、過去の僕はどうのように考えたら良いのかわかりませんでした。
考え方がわかれば、すぐにできますし、成長につながるかと思います。

以上になります。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

少しでも明日の臨床につながれば幸いです。

参考書籍