【立位】足部アーチと運動連鎖

立位において、足部は唯一の支持基底面であり、姿勢コントロールや運動連鎖の起点でもあります。

・「身体を動かすと膝が痛い」
・「歩いていると左右にふらつくような感じがする」
・「長い時間歩けない」

このような声を臨床で耳にします。

歩行時のバランスや膝痛予防は、足部と運動のつながりを捉えることが大切です。

まずは、足部のアーチから確認していきます。

足部のアーチ

足部のアーチが示されています。

【足部のアーチ】
・内側縦アーチ(Medial longitudinal arch)
・外側縦アーチ(Lateral longitudinal arch)
・後部横アーチ(Posterior transverse arch)
・前部横アーチ(Anterior transverse arch)

立位姿勢と足部アーチの特徴を捉えます。

・歩隔は広い・狭い(ワイドベースorナローベース)
・内側アーチの高さ(ハイアーチorローアーチ)
・荷重している感覚(前足部or後足部or左右)

このように足部と姿勢・動きの関連性を推論していくことが大切となります。

距骨下関節の回内と回外

立位姿勢を後方から観察し、踵(かかと)に注目してみます。

【右足部の回内・回外】
・左図(回外位):かかとが内側に傾いて、足の前の方が内向きになっています。
・真ん中(中間位):まっすぐな状態。ここが基本ポジションです。
・右図(回内位):かかとが外側に傾いて、足の前の方が外向きになっています。

例えば、距骨下関節が回内位であれば、内側縦アーチは低下し、扁平足となるケースは多いです。

足部アライメントの崩れは、足→膝→股関節と運動連鎖に影響しています。

ローアーチによるアライメント変化

足部のローアーチによる、各関節のアライメント変化を示しています。

・距骨下関節 回内→下腿内旋→大腿内旋→骨盤前傾

と誘発される運動連鎖を理解できます。

片麻痺者においては、非麻痺側はローアーチ、麻痺側はハイアーチ(筋過活動)と非対称性を呈していることも少なくありません。

誘発される運動連鎖を理解しつつ、姿勢全体への影響を捉えることが重要と考えます。

距骨下関節回内・回外による膝関節への影響

・膝関節の内反:
いわゆるO脚の状態です。足部アーチの変化に伴い膝関節内側の内圧変化が生じ、内反の増悪に繋がりやすいです。
・膝関節の外反:
いわゆるX脚の状態です。足部アーチの変化に伴い膝関節外側の内圧変化が生じ、外反の増悪に繋がりやすいです。

これらの足部の変化は膝関節の変形・内圧変化に伴う痛みにつながる可能性があります。

まとめ

今回は、【立位】足部アーチと運動連鎖、と言うテーマで書きました。

足部アーチから誘発される運動連鎖を理解し、姿勢全体への影響を捉えることは大切です。

歩行時のバランスや膝痛予防には、足部と運動のつながりは重要と考えます。

以上になります。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

References

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2.Anja-Verena Behling et al.Chasing footprints in time– reframing our understanding of human foot function in the context of current evidence and emerging insights. BIOLOGICAL REVIEWS. 2023

3.Sam Khamis et al.Effect of feet hyperpronation on pelvic alignment in a standing position. Gait & Posture . 2007

4.Xin Zhou.et al.Design and evaluation of a wedge-shaped adaptive knee orthosis for the human lower limbs. Front Bioeng Biotechnol. 2024

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