運動制御システムと構成要素

脳卒中による中枢性運動障害は、姿勢運動に多様な問題を生じます。

臨床では姿勢運動を観察分析し、効率的な動きの獲得を目指します。

この動きの問題を分析する臨床推論プロセスにおいて、運動制御システムの理解は必須と考えます。

はじめに、運動制御システムの全体を確認します。

運動制御システムのモデル

運動制御システムのモデル[1]が示されています。

運動制御のシステムは、階層的・並列的な神経システムのネットワークにより働いていることがわかります。

大脳皮質→皮質下・脳幹→脊髄
主に運動に関わる下行路(Descending pathway)の理解は大切です。
加えて、感覚に関わる上行路(Ascending pathway)も運動に関連しています。
上行路と下行路の関連性
相互作用を捉えつつ、姿勢運動分析を進めることが重要です。

運動制御システムの構成要素①

脳卒中による中枢性運動障害は、多様な臨床像を呈します。

問題となる現象が同じように見えても、神経システムの問題点が同じとは限りません。

・各エリアの役割
・各エリアのネットワーク

ここは基本として知っておきましょう。

基礎疾患により影響を受けた神経システムと保たれている神経システムを区別していく視点が大切です。

とはいえ、明確な区別は難しいのも現実です。

まずは一症例を丁寧に観察分析し、問題となる現象の「なぜ?」を見つけることからはじめると良いかと思います。

運動制御システムの構成要素②

皮質下・脳幹の運動制御システム[2]について示されています。

これらのエリアは運動の準備と開始に関与します。

近位の安定性と遠位の運動性

体幹と四肢の姿勢運動分析を進める上で大切な要素となります。

運動制御システムの構成要素③

脊髄の運動制御システム[2]について示されています。

例えば、痙縮は、興奮−抑制による脊髄制御の理解が大切です。

歩行におけるリズム生成には、末梢からの感覚フィードバックと皮質制御とあわせて、脊髄制御が重要な役割を担います。

骨格筋を観察分析するために、運動制御における脊髄の役割を理解することは重要と考えます。

【姿勢運動分析】効率的な運動と非効率な運動

臨床において、運動制御の効率的な要素と非効率的な要素の分析が重要です。

姿勢運動分析の要点を考えます。

・体節の位置関係
・動きのシークエンス
・近位の安定性と遠位の運動性
・筋動員パターンとタイミング
・筋肉の収縮様式
・運動速度
・運動中の労力
・疲労と持久力
・予測的姿勢制御
・代償的な姿勢制御

これらは疾患問わずに大切な視点と考えます。

まとめ

本日は、運動制御システムと構成要素について書きました。

姿勢運動分析の臨床推論プロセスに、運動制御システムの理解は重要です。

難しいかもしれませんが、一症例ごとに丁寧に分析していくことが大切と考えます。

 

以上になります。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

少しでも明日の臨床につながれば幸いです。

References

1.Anne Shumway-Cook, Marjorie H. Woollacott,  Motor Control: Translating Research Into Clinical Practice.Lippincott Williams & Wilkins, 2007-p50

2.Angshuman Mukherjee,et al.Spasticity Mechanisms – for the Clinician.frontiers in neurology.2010