【感覚障害】運動と感覚フィードバックの関連性
こんにちは、ひろかずです。
「感覚障害」と聞いて、臨床場面でどのようなことを思い浮かべますか?
・痛みを感じる
・足が動かしにくい
このような訴えは一度は耳にするかと思います。
感覚情報をどのように知覚しているか、セラピーをすすめる中で重要な手がかりとなります。
感覚と運動は相互に作用しており、関連性を考えつつ分析をしていく必要があります。
中枢神経疾患のケースであれば、感覚と運動の共に制限を受けていることが多いです。
今回は、【感覚障害】運動と感覚フィードバックの関連性について、ポイントをおさえて考えてきます。
感覚と運動の不一致により生じる異常感覚
健常人は、特に意識することなく手足を思い通りに動かしているかと思います。
運動には、過去の記憶や経験をもとにした「予測」があり、得られる感覚(フィードバック)と不一致がないのがほとんどです。
運動制御システムにおける遠心性コピーの役割を示す概略図[1]から、中枢神経は常にフィードバックとフィードフォワードシステムの作動し、不一致があればすぐに検知できる状態にあることがわかります。
この図から、感覚障害を考える上でも、運動制御の理解が大切であることがわかります。
また、「予測」は個々の経験や記憶、主観などに依存するため、知覚や表現に多様性があることも納得できます。
下肢切断後の幻肢と痛み
Amputation of a limb generates such an incongruent response, because after amputation the motor output still perceives the limb to be present, but proprioceptive and visual input is absent from the amputated area.[1]
四肢切断は、切断後も運動出力が四肢の存在を認識しているが、切断された領域には固有受容感覚および視覚入力がないため、このような不一致な応答を生成する。
フィードフォワードとフィードバックシステムを理解するため、切断後の幻肢や幻肢痛が例としてあがられます。
「感覚障害」を考える上で、運動制御の理解が必要であることがわかります。
・ピリピリ痛みがある感じ
・電気が走る感じ
過去に経験した幻肢痛の表現は実にさまざまでした。
当時は、「異常感覚」として単に感覚障害と理解していました。
背景にある運動制御、「予測」の観点で分析をすすめると、セラピーの幅が広がると感じます。
脳卒中後の感覚障害
固有感覚のフィードバックと運動の相互作用から、予測との不一致がどれくらいあるかを推論することが大切です。
この不一致が大きければ、「腕が重たい感じ」や「痛み」などの感覚障害に繋がる可能性が考えられます。
運動と感覚の両面から推論していくことがポイントです。
まとめ
今回は、【感覚障害】運動と感覚フィードバックの関連性について考えました。
表出される訴えから、運動制御システムの理解を深められると推論の幅が広がるかと思います。
以上になります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
少しでも明日の臨床につながれば幸いです。