【片麻痺の特徴】立ち上がり動作の下肢筋活動パターン
立ち上がり動作は、日常生活のさまざまな場面で行われます。
・トイレから立ち上がる
・ベッドから立ち上がる
立ち上がり動作の制限は、日常生活の制限につながります。
「お尻が重たい」
「立つのが怖い」
麻痺による筋肉の働きの不活性から、さまざまな動きのパターンが観察されます。
臨床場面では、動きの特徴を捉え、アプローチへつなげることが求められます。
まずは、片麻痺者の立ち上がり動作の下肢筋活動パターンを確認します。
【片麻痺】立ち上がり動作の筋活動パターン
片麻痺者の立ち上がり動作の筋活動パターンについて示されています。
立ち上がり動作において、最適なタイミング・強さでの筋活動が求められます。
片麻痺者の立ち上がりの難しさと、これらの筋活動パターンの理解深めることは大切な視点です。
・前脛骨筋の働きにくさ
・ヒラメ筋の過活動
転倒の危険性がある方ほど、筋活動パターンに特徴がみられる点はポイントです。
立ち上がり動作の中で、筋活動パターンの修正を試み、パフォーマンスにつなげていけることが大切と考えます。
事前に足関節機能を知っておくと、立ち上がり動作の転倒予防にもつながるかと思います。
立ち上がり動作の筋活動パターン
正常運動の理解は大切です。
各筋肉を単一で捉えるのではなく、各筋群の相乗的な動きを捉えることが大切です。
臨床場面では、「足部の働きに弱さがあれば、股関節の筋肉の働きが高まる」というようなことがあります。
「弱さがあれば、他部位にどのような影響を与えているか」、「過剰な働きがあれば、なぜそのようになっているのか」など、推論していくことがアプローチを進める中でも大切となります。
離殿に先行するTA(前脛骨筋)の働きは、臨床上重要な視点です。
離殿に失敗するケースは、立ち上がり動作前にTAの働きを確認してみると課題解決のヒントになるかもしれません。
立ち上がり動作のシークエンス
立ち上がり動作は、4相に分けられます。
「うまく立てないな」
どの相で問題が生じているかを整理できると良いかと思います。
前脛骨筋・ヒラメ筋の働きとフェーズⅠ〜Ⅱあたりを注意深く分析できれば、転倒を予防することができるかもしれません。
また、フェーズⅠの足部位置もポイントです。
正常では、膝関節よりやや後方に位置していますが、片麻痺者は前方に位置したまま立ち上がってしまうことがあります。
離殿前に、足部の感覚・知覚を予測し、立ち上がりにくさを推論することも大切と考えます。
まとめ
本日は【片麻痺の特徴】立ち上がり動作の下肢筋活動パターンというテーマで書きました。
日常生活を考えると効率のよい立ち上がり動作は非常に重要です。
立ち上がり動作の下肢筋活動パターンを捉え、アプローチへつなげていけると良いかと思います。
以上になります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
少しでも明日の臨床につながれば幸いです。
References
3.M Schenkman et al.Whole-body movements during rising to standing from sitting.Physical Therapy.1990