足関節戦略のフィードフォワード制御を考える
効率の良いバランスには、足関節戦略が大切です。
静的な立位姿勢においても、呼吸運動に合わせたわずかな揺れ(sway)を感じることができます。
揺れ(sway)は、足関節戦略によって逆振り子のように制御され、意識することなく楽に立っていられます。
一方で、片麻痺患者さんの立位姿勢は、揺れ(sway)は大きく、意識的かつ努力的であることをよく経験します。
本日は、足関節戦略についてポイントをおさえて考えてみます。
足関節戦略はフィードフォワード制御
立位における外側腓腹筋の活動はCOGとCOPの前後の動きを予測していた[1]とあります。
日常生活の前後の動きはどんなことがあるでしょうか?
・洗濯物を干す
・立ってズボンを下ろす(上げる)
考えてみると、まだまだありそうです。
臨床的に立位姿勢から足関節戦略の観察は、
・前後方向の動き
・腓腹筋の筋活動
・支持基底面(ナローベースVSワイドベース)
これらをポイントに課題分析できるとよいと考えます。
3つの姿勢運動戦略
3つの姿勢運動戦略[2]について示されています。
足関節戦略が十分に貢献できない場合は、股関節戦略での適応がみられます。
股関節戦略(図の真ん中)を観察すると、体幹は屈曲していますし、上肢は軽度屈曲してバランスに貢献しているのがわかります。
仮に足関節機能が良好であっても、体幹の抗重力伸展が不十分なため股関節戦略を用いていることもあります。
この場合、セラピーターゲットは体幹になります。
あるいは、上肢に重度麻痺がある場合は、より足関節と股関節戦略の協調性が求められるかもしれません。
このように臨床的には、足部のみならず体幹や上肢の影響も考慮しなければならないのが現実かと思います。
足関節戦略の重要性を十分に理解し、それのみにとらわれずに包括的にみていくことが大切だと日々感じます。
まとめ
本日は、足関節戦略のフィードフォワード制御についてポイントをおさえて考えました。
セラピーにつなげていくには、立位における足関節を十分に分析できなければなりません。
加えて、相互作用として股関節・体幹・上肢がシークエンスのなかでどう変化するか分析できることが大切だと感じます。
難しさもありますが、一つ一つ丁寧にみていけるとよいかと思います。
以上になります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
少しでも明日の臨床につながれば幸いです。