【片麻痺】手内在筋と手外在筋

麻痺手を動かし、手の筋肉や関節を柔軟に保つことは大切です。

・手が開きにくい
・指が伸びにくい
・動くと緊張が強まり硬くなる

手は、日常生活での使用のみならず、姿勢やバランス能力にも大切です。

麻痺手の動きの制限により筋肉が弱くなってしまうと、手を使いにくくなり、筋肉の萎縮や短縮につながる可能性があります。

適切な運動を進めるためにも、筋肉の構成について理解は大切と考えます。

【片麻痺】手内在筋のアプローチ【動画】

麻痺手に対するアプローチになります。

・手内在筋の短縮・萎縮
・手外在筋の過活動

手内在筋と手外在筋の関連性を評価しながらアプローチしていくことが大切と考えます。

・筋緊張
・筋の長さ

硬い筋肉は、上記の鑑別が重要です。

「硬くて伸びない=短縮」ではないので、アプローチを通して手の開きやすさを評価していくことがポイントです。

運動の感覚・知覚・認知には個別性があるため、確認しながらアプローチを進めていくと良いと思います。

【手内在筋】母指球筋

アプローチを進める上でも基礎的な解剖は大切です。

はじめに手内在筋の構成を確認します。

母指球筋は、親指の動きを制御する筋肉であり、手指の細かい動作や握力を調整する上で非常に重要な役割を果たします。

【母指球筋の構成】
・母指内転筋
・短母指外転筋
・短母指屈筋
・母指対立筋

母指が伸びにくい、曲がってしまう時は萎縮や短縮の確認が大切と考えます。

【手内在筋】小指球筋

次に、小指球筋です。

小指球筋は、小指の動きを制御する筋肉であり、握力を保持し、力を加える際にも重要な役割を担います。

【小指球筋の構成】
・短掌筋
・短小指屈筋
・小指外転筋
・小指対立筋

手のひら全体を使用した物品の持ち上げや、細かい作業などにおいて、小指球筋は欠かせない筋肉の一つとなります。

【手内在筋】骨間筋・虫様筋

手内在筋の最後は、骨間筋と虫様筋です。

骨間筋と虫様筋は、手のひらの筋肉の一部であり、手指の曲げ伸ばしを制御する重要な役割を担います。

・骨間筋
・虫様筋

これらの短縮や萎縮があると、手の組みにくさや指の開きにくさにつながります。

【手指の外在筋】屈筋

次に手指の外在筋を確認します。

手指を伸ばすのが苦手で曲がってしまう方は多いかと思います。

【手指の外在筋】屈筋
・浅指屈筋
・深指屈筋
・長母指屈筋

前腕部から筋肉を触診し、手指の屈曲に伴う過活動や短縮の確認が大切と考えます。

【手指の外在筋】伸筋

手指を伸展が苦手な方は多いです。

手指外在筋の屈筋群の過活動が、さらなる伸筋の弱化につながっていることも経験します。

【手指の外在筋】伸筋
・指伸筋
・示指伸筋
・小指伸筋

前腕部から筋肉を触診し、弱化や短縮の確認が大切と考えます。

【母指の外在筋】伸筋

最後に、母指の外在筋を確認します。

これらの筋肉の過活動・短縮は、手関節のマルアライメントを引き起こす可能性があります。

【母指の外在筋】伸筋
・長母指伸筋
・短母指伸筋
・長母指外転筋
手の支持動作など、手関節の背屈運動に伴う痛み(インピンジメント)の確認もポイントです。

姿勢コントロールに貢献する手

指先の軽い接触刺激は、予測的な姿勢調整に貢献します。

麻痺手のコンディションを保つことは、バランス能力にも重要と言えます。

例えば、開きにくい麻痺手の影響から非対称な座位姿勢は、疲れやすさにつながっているかもしれません。

日常生活であれば、食事動作やデスクワークに影響するでしょう。

麻痺手を開いて置いておけることは、対称的で疲れにくい座位姿勢を考える上でも重要と考えます。

まとめ

麻痺手の筋肉の萎縮や短縮は、姿勢やバランス能力にも影響を与えます。

適切な運動を進めるためは、筋肉の構成について理解は大切と考えます。

以上になります。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

References

1.J R Lackner et al.Precision contact of the fingertip reduces postural sway of individuals with bilateral vestibular loss. Experimental Brain Research.1999

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