リーチ動作とグラスプ動作の評価

麻痺側上肢の回復のために、リーチと動作とグラスプ動作を評価は大切です。

脳卒中後のリーチ動作とグラスプ動作は

・握りに力が入りすぎる
・把持しにくい
・手を伸ばすことが難しい

など、運動の質が制限されると、不使用の学習にも繋がります。

今回は、リーチ動作とグラスプ動作についてポイントをおさえて考えていきます。

パワーグリップと精緻グリップ

どのように対象物を把持しているか、グラスプ動作を考えていきます。

パワーグリップと精緻グリップは、臨床で役立つ必須の知識でしょう。

手の構え、母指と手指の位置、対象物との接触面、把持の感覚などの違いを確認しておきましょう。

脳卒中後のグラスプ動作では、手の構えや手指の位置を調整できないケースも多いかと思います。

細かなところでは、手のシワ、皮膚の色、指先や爪の色などの左右差を比較も有用です。

他に、重たい、軽い、手触りなどの感覚知覚評価も大切です。

リーチ&グラスプのシナジー

リーチ動作とグラスプ動作のシークエンスを見逃さないようにしましょう。

グラスプ動作に至るまでリーチ中は、臨床的に多くの観察ポイントがあります。

手の構え、指の開き、母指と示指の距離、運動の軌跡、手背屈角度、体幹の傾き、肩甲骨の安定性などなど…

・開始前−リーチ動作−グラスプ動作

運動のシークエンスから、どのフェーズに問題があるか優先順位をつけていけると良いです。

ユニットとしての手機能

ユニットとしての手機能を理解しましょう。

日常生活で、手を使うときに一本一本の指の動きを考えることはないですね。

「握る」「離す」「持つ」「つまむ」「持ち上げる」などなど

手全体が各動作時に一つのセットになっているようです。

グラスプ動作時に、隣接する関節や筋肉はセットで関連性を深めていくことが大切かと思います。

また、動作修正をフィードバックするときに、声掛けにも工夫が必要かもしれません。

まとめ

リーチと動作とグラスプ動作の評価について、ポイントをおさえて考えました。

動きのシークエンスを捉え、構造的、神経的背景をあわせながら分析していくことが大切かと思います。

 

 

以上になります。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

少しでも明日の臨床につながれば幸いです。

 

References

1.J. R. Napier,The prehensile movements of the human hand.The Journal of bone and joint surgery. 1956

2.C R Mason,et al.Hand synergies during reach-to-grasp.J Neurophysiol.2001

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